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同窓会クラス会の感想文文例/例文

同窓会クラス会の感想文


中学同窓会の感想

土曜日は中学校の同窓会だった。

僕は自分が同窓会に行くと
そこそこに驚かれる事を知っている。
それは別に、僕が中学校から激ヤセしたからでも、
あの純粋だった○○君がすっかり女遊びで
悪名を轟かすようになったからでもなく、
強いて言えば「同窓会に来なさそうなキャラだから」だ。

でも僕は期日ギリギリに出席ハガキを出した。
学年全員に往復はがきを送るなんて幹事役の人のマメさと
情熱には驚かされるばかりだが、
まあどの学年にもそういう人が一人はいる。
世界はこうやってうまくまわるようにできているのである。

会場に一人で行くのは寂しいので、
僕はこれまた出席前日に友人に
「一緒にいってくれないか」と、
急遽頼むことになった。メールは幸い帰ってきた。
ここで「いや、無理だわ」と言われたら僕は心が折れて、
同窓会に行かなかったかもしれない、
ということをここに告白しておく。

主催者に人望があるのか、みんな実は寂しいのか、
予想以上の人数が会場には集まっていた。
何人いたのかは数える気が起こらないので分からない。
全体をぐるりと見回してみた感じでは、
多くの友人達、特に男の子達は変わっていなかった。
学年のアイドルだった女の子は、
すっかりママの風格を見せていた。

出席者のメッセージを集めたものを読むと、
そこそこの女の子の姓が変わっているのが分かった。
もう僕達はそんな年なのである。
誕生日を迎えた後に、
年齢を四捨五入すればアラサーなのである。

僕は基本的に大人数の飲み会は苦手なので、
食べるのを諦めて、
ちびちびとお酒を飲みながらふらふらと歩いた。
引っ込み思案で声がちいさかったある女の子は、
卒業後モテる様になったのか、
自分に自信を持っているのが分かった。
モテるというのは、
自分に自信を「持てる」と同義なのかもしれない。

前に振られたショックかなにか知らないが、
出会い系と間違えるような
狂ったメールを送ってきた女の子と、
久しぶりに話した。なんだか気まずそうにしているので、
問いただしてみると、僕がそのメールにうんざりして、
「誰?」と、イヤミを一言返信したことに、
本気で落ち込んでいたので謝っておいた。
まさかそこまで大きなダメージを
受けていたとは思わなかった。
古い友人とのメールは慎重にすべきらしい。

小学校の頃かなりやんちゃで、
喧嘩したとき下敷きをバキバキに折れるほど
僕の机に叩きつけた記憶が未だに新鮮なある女の子は、
可愛くなっており仕切りに口説かれていた。
しかしガードが固いようで、
苦戦を強いられているのが分かった。
彼女はどうやら大人になったらしい。

僕の事が誰か分からなかったようなので、
話していた友人に○○だよ、と説明してもらった。
彼女はそれなりに驚いたようで
「童顔から大人っぽい顔になったね」と褒めてくれたが、
僕の顔が分からなかった友人は、多分彼女だけだ。
喜んでいいのか悲しんでいいのか分からなかった。

男友達は大抵顔と名前が一致した。
もちろん、もともと友人だった人達だけだが。
中学の時に美人と付き合っていた層の人達は、
やはり女の子と積極的に話しているなあと思った。
恋愛には積極性が不可欠である。
一人はもうすぐ結婚式をあげるらしい。
「結婚はもう少し後からでもいいと思う」
そうアドバイスをもらったが、
言われなくても僕に結婚する予定等ない。
結婚は一人では出来ないのだ、当たり前だが。

二次会はカラオケだった。なぜ僕が二次会にいるのか、
読んでいる人はとても戸惑ったと思うが、
安心して欲しい、僕自身も戸惑っていた。

カラオケはイケイケでアゲアゲな感じだった。
こういう場は自分のキャパシティを越えている事を、
僕は知っている。大学一年生の頃なら、
なんとか盛り上がれるように頑張っていただろうが、
僕も大人になったのである。
大人になるという事は諦める事を覚えるという事である。

僕は歌うのを諦めた。
しかし、あえて別室に少人数で部屋を取り、
好きな歌を歌っている友人達がいる
という極秘情報を入手し、
こっそりと席を立って彼らに混じることにした。
かれらはマクロスのメドレーを原キーで歌って、
自らののどの限界に挑戦していた。正直落ち着いた。
歌が下手だと言われたのがトラウマで、
10年カラオケにいってなかった友人もついてきて、
その部屋の空気に安心したのか一曲歌った。
意外と大きく音を外してはいなかった。
彼はカラオケの楽しさに目覚めた。

帰り際に、久しぶりに話した友人が僕の歌を褒めてくれて、
アドレスを再び交換し、また遊びに行く約束をした。
これが唯一、僕が二次会に行った成果だ。

しかし僕の同窓会は終わらなかった。
友人の車で家に送ってもらった後、
家の鍵を持ってき忘れたことに気づいたのだ。
僕は午前三時の夜の空気を吸い込んで
大きくため息をつくと、
仕方なく近場のファミレスに行き時間をつぶすことにした。

すると、奇跡が起こった。
一次会で先に抜けた友人達がそこでだべっていたのだ。
彼らと学生時代とか仕事とか地震とか、
一次会で話しそびれた事を沢山話すことができた。
彼らは午前五時半にタクシーで帰ったが、
孤独な時間を少しでも減らせた僕は運がよかった。

二次会リア充組が男女で
そこに来ていたらどうしていただろう。
僕は初期の浜崎あゆみのように「居場所がなかったー」と、
心の中で歌い続けなければならなかっただろう。
僕はとても危ない賭けに勝ったのかもしれなかった。

こうして中学校の同窓会は終わった。
同窓会はそこそこ楽しかった。
結構長い時間を経ても普通に話せる感覚が面白いので、
次もあったらいそいそと行くだろう。
そして「来ると思わなかった」と言われ続けるだろう。
二次会には次からは多分行かない。
僕は二次会に参加するには、
ステータスのどれかが足りないらしい。
そのステータスはこれからも伸びる事はなさそうだ。

そうそう、家の鍵だけは、絶対に忘れないように。

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